ナチスの「黄金列車」に沸くポーランドの街、観光資源に期待
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【8月31日 AFP】ポーランド人のツアーガイドで、元トレジャーハンターのアンドレイ・ガイク(Andrzej Gaik)さんは、興奮を隠しきれない様子で線路脇の土手を指差す──この土手の奥深くに、黄金や宝石を満載したナチス・ドイツ(Nazis)の列車が横たわっていると彼は主張する。
同国南西部の町、バウブジフ(Walbrzych)は、財宝を満載したままのナチス・ドイツの列車が見つかったとして最近注目を集めている。「ここが、トンネルの入口があった場所さ。ここに列車が隠されている」と、ガイクさんは土手の少しくぼんだ部分に注目する。
最近、この街で「黄金列車」を発見したとする男性2人が現れて以降、ナチスが黄金や宝石を満載した列車をポーランドに隠したとの古い俗説が再びインターネット上で話題になっている。
当初、列車発見の一報に、人々の反応は半信半疑だった。しかし同国のピヨトル・ジュコフスキ(Piotr Zuchowski) 文化副大臣が、地中探知レーダーによる列車の画像を確認し、プラットフォームや銃器を判別できたと述べたことで、その真実味は一気に増すことになった。同副大臣は28日、「私はそのような列車が存在すると99%以上確信している。ただし現時点でその内容物を確認することはできない」とコメントしている。
黄金列車によって一躍脚光を浴びることになったバウブジフ。現在、この場所には、国内外のテレビ取材班やトレジャーハンターらが大勢詰め掛けており、黄金列車はポーランドにとってのネッシーのような存在となった。
ツアーガイドのガイクさんも数年前、元炭鉱作業員らが率いるグループの一員としてこの列車を探したことがある。土手の傾斜部分を掘った際にコンクリートやレンガを見つけたが、適切な機材や資金不足により、作業を断念せざるを得なかったのだという。あれから約10年、列車が再び姿を現す日は近いとガイクさんは信じている。