■他の候補も強硬姿勢に

 実際、共和党のライバル候補たちの多くは、批評家たちが「大言壮語」と批判するトランプ氏の発言に距離を置くどころか、候補がひしめく予備選の中でメディアの注目を少しでも集めようと、トランプ氏同様の強硬姿勢を移民に対し打ち出している。

 例えば、支持率1%のリック・サントラム(Rick Santorum)元上院議員は、当選した際にはメキシコ政府に「国境での不法行為の促進を止め、わが国に協力するよう」要請すると述べた。また同氏や支持率6%のスコット・ウォーカー(Scott Walker)ウィスコンシン(Wisconsin)州知事は、メキシコ国境に壁を建設するというトランプ氏の構想に支持を表明した。一方、ボビー・ジンダル(Bobby Jindal)ルイジアナ州知事はトランプ氏同様、出生地主義に基づく国籍取得権の撤廃を訴えている。

 ちなみに、ジンダル氏はインド系移民の子であり、トランプ氏自身もスコットランド系移民の親を持つ。

 同じくトランプ氏のライバルで、大統領経験者の父と兄を持つジェブ・ブッシュ(Jeb Bush)氏の妻はメキシコ系移民だが、同氏もまた、子どもに自動的に米国籍が与えられることを目的として、子どもを産むために米国へやって来る外国人を表す「アンカー・ベビー」という軽蔑的な表現を用い、移民の権利推進団体などを激怒させている。(c)AFP/Ramon SAHMKOW