【8月20日 MODE PRESS】英ファッションデザイナーのステラ・マッカートニー(Stella McCartney)は、これまでウールを買い付けていた業者がヒツジを虐待している様子を目の当たりにし、「打ちのめされた」気分だと明らかにした。

 動物愛護団体「動物の倫理的扱いを求める人々の会(People for the Ethical Treatment of AnimalsPETA)」がステラに提出した動画には、動物虐待の実態が収められていた。これを見たステラは、アルゼンチンとチリの南部にまたがるパタゴニア(Patagonia)地方の農場からの買い付けを直ちに中止した。

 ステラは、「レザーやファー、アニマルスキンを使わないというポリシーの下にブランドを確立したデザイナーとして、これは容認できるものではありません!この報告に打ちのめされていますが、同時にファッション業界における動物の権利向上のために闘おうという気持ちをこれまで以上に強くしました。この業界で罪のない生き物の命を奪っているあらゆる業者を、より厳しい目で監視していきます」と誓った。

 さらに、「何年もかけて、レザーやファーのハイエンドの代用品を開発して取り入れてきたように、ビーガン(動物由来でない)『ウール』の可能性についても探っていくつもり」だと語った。

 そもそもステラがこれらの農場との取り引きを始めたきっかけは、ヒツジの牧草地の保護プロジェクトだった。ステラはインスタグラム(Instagram)にこうつづっている。「当初は、動物愛護に徹しながら、消滅しそうになっていた100万エーカーもの牧草地を守ろうという素晴らしい計画でした。しかしPETAの優秀なスタッフから提供されたおぞましい映像を目にし、アルゼンチンで独自調査を行ったところ、残念な話ですがこれまで意識の高い形で生産されているウールを買い付けていた26か所の農場のうちの一つが、ヒツジを虐待していることが発覚しました。たった一か所であっても許されないことです」

 ステラの父親の歌手ポール・マッカートニー(Paul McCartney)もPETAを熱心に支持するベジタリアン。母親ですでに他界しているリンダ・マッカートニー(Linda McCartney)も同じく菜食主義者で、生前リンダは肉不使用の食品をプロデュースしていたことでも知られていた。(c)Bang Showbiz/MODE PRESS