【8月19日 AFP】2022年のサッカーW杯を開催するカタールで、外国人労働者に対する賃金の支払いを保証する法案の施行が、多くの混乱を経て11月になることが明らかになった。

 カタール政府が「重要な」改革として主導する賃金保護システム(Wage Protection System、WPS)は、企業が新たな規制に対応するための6か月の猶予期間を経て、8月18日から実施されるものとみられていた。

 ところが、地元日刊紙ザ・ペニンシュラ(The Peninsula)によれば、法案が実際に施行されるのは2か月以上も遅れ、11月2日になる見通しだと報じている。

 ペニンシュラ紙によると、W杯開催が迫るカタール政府は、体制が整っていない民間企業があるとして、法案施行の延期を決定したと報じている。

 賃金保護システムは、5万以上の企業に影響を与える見込みだと伝えられている。

 また、別の地元紙アッシャルク(Al-Sharq)も11月2日に法案が施行されると報じているが、銀行部門は、新たな枠組みに対する準備が完了していると伝えている。

 新システムでは、労働者は月に2度、もしくは毎月コンピューターの制御で口座に給与が振り込まれることになる。

 新しい規制の下で予定通りに給与を支払わない企業は、最大1650ドル(約20万5000円)の罰金に加え、新たな人材の採用禁止、経営陣の逮捕といった処分が科せられる可能性がある。

 カタールの国際的企業団体の代理人を務める弁護士は、当局の職員が民間企業に対し、「口頭で法案の施行は11月2日になると伝えた」と語っている。

 今回の件は、カタールの立法プロセスの混乱ぶりを浮き彫りとさせる形となった。

 カタールでは、特にブルーカラーの労働者に対する給料の遅配が、資源で潤う国営企業に対する右派の不満の大きな一因となっていた。

 2013年の調査報告書「A Portrait of Low-Income Migrants in Contemporary Qatar」によれば、カタールで就労する外国人労働者のうち、約20パーセントは「給与を期日通りに受け取ったことは、時々、たまに、もしくは一度もない」と回答しているという。

 政府の改革の目玉として設立されたWPSは、カタールの労働慣行に対して高まる不満の解消を目的としており、この取り組みによってカタールはW杯開催が認められたという経緯がある。(c)AFP