【8月19日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)のジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長は18日、次期会長選に立候補し、FIFAを「腐敗した組織」と表現した鄭夢準(Mong-Joon Chung、チョン・モンジュン)氏を批判した。

 17日にフランス・パリ(Paris)で会長選出馬を正式表明した鄭氏は、「FIFAがこのような腐敗した組織になった真の理由は、同じ人物(ブラッター会長)が40年にわたって組織を率いていたことにある。紛れもない権力腐敗だ」とコメントしていた。

 これに対しブラッター会長は、「ごく控えめに言っても、鄭夢準氏がFIFAを『腐敗した組織』と形容した発言は穏やかではない」として、不快感を示している。 

「誰もが覚えているし、ましてや鄭氏が忘れているはずもないだろうが、彼は1994年から2011年までの17年間、FIFAで副会長および執行役員を務めた」 

 ブラッター会長はまた、鄭氏が記者会見で繰り広げた「個人攻撃」は、「すべての関係者に対する敬意を著しく欠いたものだ」と批判している。 

「FIFAは組織の改善にすべてを捧げ、ガバナンスと説明責任を強化し続けることを再度強調したい」

「この分野におけるわれわれの任務は、継続性を持って改善していくことであり、国際的なサッカー団体にふさわしい最高レベルの水準を満たすことにある」 

 パリのホテルで選挙戦の口火を切った鄭氏は、複数の汚職事件で警察の捜査対象となり、「深刻な危機」にあるFIFA執行部を何度も批判している。

 そして鄭氏の標的は、欧州サッカー連盟(UEFA)会長で選挙戦を争うミシェル・プラティニ(Michel Platini)氏にまで及んだ。

 鄭氏によると、プラティニ氏は過去の組織に深く関与しているとして、会長選に立候補すべきではないとしている。 

 米当局は5月、放映権やマーケティングに絡んだ1億5000万ドル以上に及ぶ不正でFIFAの幹部や関係者14人を起訴した。また、スイス警察はロシアとカタールで開催される2018年と2022年のW杯の招致に関して独自に捜査している。 

 鄭氏は、不正の「明確な証拠」がない限り、FIFAはカタールでのW杯開催を堅持すべきだと主張している。現時点でカタールは、W杯開催に向けて数十億ドルを費やしている。(c)AFP