【7月21日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)のジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長は20日、記者会見の席で、英コメディアンから大量の偽札をばらまかれるハプニングに見舞われた。

 FIFA本部で行われた記者会見に臨んだ79歳のブラッター会長は、英コメディアンのサイモン・ブロッドキン(Simon Brodkin)から札束を投げつけられると、動揺する様子をみせた。

 この妨害行為の直後、ブロッドキンはスイス警察の車で連行されている。

 リー・ネルソン(Lee Nelson)というステージ名を持つブロッドキンは、これまでも注目が集まるイベントに乱入する事件を度々起こしている。

 この日は、ブラッター会長が次期会長選の日程を発表しようとしていた記者会見に姿をみせると、ブラッター会長の演壇に札束を置き、自分は「2026年W杯開催地に立候補する北朝鮮」の代表だと説明した。

 ブロッドキンは、警備員に連れ出される際にも、「はいどうぞ、ゼップ」と叫びながら、さらに紙幣を空中に放り投げていた。

 その10分後、きれいに掃除された演壇に戻ったブラッター会長は、再開された記者会見で最初に謝罪し、今回の事件について「教育の欠如だ」と批判した。

 ブラッター会長はさらに、「これはサッカーとは無関係だ」と強調している。

 一方、ブロッドキンは事件後、ツイッター(Twitter)に自身の写真を載せ、「ゼップ・ブラッターと面会し、北朝鮮での2026年W杯開催を確保して興奮している」と投稿した。

 今回の事件の映像は、瞬く間にソーシャルメディアで大騒ぎとなった。

 ブロッドキンは英テレビ番組に乱入するなど、これまで何度も騒ぎを起こしている。先月には野外音楽祭「グラストンベリー・フェスティバル(Glastonbury Festival)」で、ラップ歌手のカニエ・ウエスト(Kanye West)のステージに乱入し、警備員に引きずり出されていた。

 ブロッドキンは昨年にもサッカーイングランド代表の格好を装い、W杯前に米国遠征に向かう代表チームの飛行機に乗り込もうとする事件を起こしている。(c)AFP