【8月15日 AFP】リビアのチバニ・アブハムード(Chibani Abuhamoud)駐仏大使は14日、リビア・シルト(Sirte)で、イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」と地元武装組織の間で戦闘が勃発し、現在までに150~200人の死者が出ていると述べ、同市で虐殺が行われていると警告した。

 アブハムード大使はAFPに対し、「(リビアで)虐殺が行われている。国際社会に介入を求める」と述べた。

 シルト市議会関係者によると、戦闘は11日に始まった。リビアでは、国際的に認められた同国の暫定議会(政府)と対立し、首都トリポリ(Tripoli)を制圧している制憲議会が、ISからシルトを奪還する作戦を開始すると同日、発表していた。同議会関係者は、「シルトでは今、戦争が起こっている」「ISの戦闘員と武装した地元住民が絶え間なく戦っている」と語った他、同市が空爆を受けているとも述べた。

 昨年、武装組織連合「ファジル・リビア(Fajr Libya、リビアの夜明け)」によって制圧されたトリポリの制憲議会の国防省は11日、「シルトを解放する作戦」を開始すると発表した。同省によると、作戦は「シルトの若者を含む住民や、われわれの空軍と革命派」の戦闘員によって実行されている。

 暫定議会に属するアブハムード大使によると、戦闘は週の初め、ISが地元の有力部族のイスラム教指導者(イマーム)を暗殺したことを受け始まり、以降、ISは民家を襲うなどして同市の住民を虐殺しているという。(c)AFP