IOC委員「グアナバラ湾に飛び込んでもいい」―会場の水質に自信
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■グアナバラ湾は「過去最高の会場」
IOCのクリストフ・ドゥビ(Christophe Dubi)競技部長は、五輪までに汚染の80パーセントを浄化するという当初の約束が守られなかったとしても、少なくとも大会の会場周辺はきれいになると話した。
ドゥビ氏は、組織委が「現在は選手にふさわしいレベルの水質を確保することに取り組んでいます」と話し、「五輪のセーリング競技史上最高の会場で、最高の選手が争うことになるでしょう」と続けた。
リオ全域にある下水の少なくとも半分が垂れ流され、さらに複数の河川を通じてごみが集まってくるグアナバラ湾について、環境活動家は「死にかけている」と評している。現時点で、ボート競技を開催する予定の湖には、汚水が常時そのまま流れ込んでいる。
さらに、不況下のブラジルで世界規模のスポーツイベントを開催すれば、貧困問題の解決が先送りになるとの懸念も出ており、IOCはこちらへの対応も強いられている。
それでもムータワキル氏は、「経済、政治危機の中でも、五輪はブラジル国民から力強い支持を得ています。この国がどういう状況にあるかは把握しています」とコメントした。
リオ市当局は、新しい地下鉄や市内を網羅するバス路線の整備、港湾地区の再活性化、新しいスポーツ会場の大量建設などが、雑然とした街の発展を大きく後押しすると話している。
その一方で反対派は、開通予定が五輪のわずか2か月前と、地下鉄の整備が遅れていることを指摘している。そして五輪開催で最も利益を得るのは、選手村などのインフラの背後にいる個人投資家だと批判している。選手村は大会終了後、高級住宅街に変わることが予定されている。
IOC会長のトーマス・バッハ(Thomas Bach)氏は、380億レアル(約1兆3600億円)の予算が組まれているリオ五輪が、これまでで「最も開かれた五輪」になると話している。
五輪が南米大陸で開催されるのは、2016年大会が初めてとなる。(c)AFP