【8月10日 AFP】15-16イングランド・プレミアリーグは9日、第1節の試合が行われ、アーセナル(Arsenal)は0-2でウェストハム(West Ham)に敗れた。

 GKペトル・チェフ(Petr Cech)が失点に絡む大きなミスを犯し、アーセナルでの公式戦デビューは悪夢となった。

 昨季王者のチェルシー(Chelsea)からのチェフ加入は一部では歓迎され、実力伯仲の優勝争いの中でこの移籍がアーセナルに有利に働くのではないかとされていた。

 しかし、33歳のチェフはハーフタイムを前にミスを犯してウェストハムの先制点を許した。前半43分、ウェストハムのディミトリ・パイェ(Dimitri Payet)のペナルティーエリア内へのFKに対し、チェフは飛び出してパンチングでのクリアを狙ったがそのもくろみは外れ、このボールをローラン・コシールニー(Laurent Koscielny)のマークが外れたシェイフ・クヤテ(Cheikhou Kouyate)が無人のゴールにヘディングシュートで突き刺した。

 チェフはさらに、驚くほど不用心なチームメートのパフォーマンスもあり、アレックス・オックスレイド・チェンバレン(Alex Oxlade-Chamberlain)のミスからマウロ・サラテ(Mauro Zarate)の追加点を許し、試合は開幕週の中で最も衝撃的な結果となった。

 昨季のイングランドFAカップ(FA Cup 2014-15)を制し、さらに前週FAコミュニティーシールド(FA Community Shield 2015)でチェルシーを破っていたアーセナルには楽観的な空気が流れていたが、アーセン・ベンゲル(Arsene Wenger)監督の就任20周年目は悲惨な出だしとなり、その雰囲気は一蹴された。

 12年ぶりのリーグ優勝への期待がかかるチームを率いるベンゲル監督は、ウェストハムにたたきのめされ、恐怖に襲われているに違いない。ウェストハムは2007年4月以来となるアーセナル戦での白星を収め、直接対決での連敗を10で止めた。

 一方で、シーズンオフにサム・アラダイス(Sam Allardyce)前監督の後任に就いたウェストハムのスラベン・ビリッチ(Slaven Bilic)新監督にとっては夢のような開幕となった。6日に行われたヨーロッパリーグ2015-16(UEFA Europa League 2015-16)3回戦のアストラ・ジュルジウ (Astra Giurgiu)戦で主力を温存して批判を浴びた新指揮官だったが、それに対して最高の答えを出した。

 ビリッチ監督が試合終了とともに勝利をサポーターと喜ぶ中、ベンゲル監督は顔をしかめながら重い足取りでロッカールームに引き揚げた。(c)AFP