【8月9日 AFP】英治安判事裁判所は7日、児童に対する性的虐待で訴追されながら、重度の認知症を理由に審問を欠席した元労働党議員のグレビル・ジャナー(Greville Janner)卿(87)に対し、本人が出廷するよう命じた。

 ジャナー卿は1963年から88年の25年間、養護施設の子どもたちを性的に虐待していた疑いが浮上したものの、認知症を患っており裁判に耐えられないとの判断から、当初は不起訴となった。しかしこれに対する批判の高まりを受け、英公訴局(Crown Prosecution Service)は被害者9人に対する22件の罪状でジャナー卿を訴追した。被害者は1人を除く全員が16歳以下だった。

 しかしジャナー卿は、この日ロンドン(London)のウェストミンスター治安判事裁判所(Westminster Magistrates' Court)で行われた審問を欠席。弁護側は、ジャナー卿が重度の認知症で出廷できないと理由を説明し、証人として先月ジャナー卿を診察した認知症の専門医2人を呼んだ。2人の医師は共にジャナー卿が重症だと証言した。

 ただ、ハワード・リドル(Howard Riddle)主席治安判事は、審問で氏名と住所の確認は2分もかからないとして、本人が出廷するべきだとの判断を下した。その上で、必要であれば介助者などによる答弁も認める意向を示し、ジャナー卿の精神的負担を軽減するため、特例として自宅で審問を行う可能性も示唆した。

 上級裁判所が今後、ジャナー卿の病状が罪状認否に耐えられないと判断した場合、公訴事実があったかどうかを陪審が認定する「事実審理」が行われる。この段階では有罪か無罪かの判断は下されない。(c)AFP