不明マレー機、海流から墜落場所特定も 残骸発見で高まる期待
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【7月31日 AFP】昨年3月に消息を絶ったマレーシア航空(Malaysia Airlines)MH370便のものかもしれない飛行機の残骸が、インド洋(Indian Ocean)にあるフランスの海外県レユニオン(Reunion)島で見つかったことについて、専門家らは、残骸を同島に運んだ可能性のあるインド洋の海流は2つ存在すると指摘している。
どちらの場合でも、人工衛星の画像を利用して残骸の漂流ルートをたどり、マレーシア航空機が墜落したエリアを絞り込むことができるかもしれない。
Q:MH370便の残骸が海流によってレユニオン島に運ばれることはあり得るのか?
A:考えられるシナリオは2つある。飛行機が南半球で墜落したとすれば、残骸は南赤道海流(South Equatorial Current、SEC)によって運ばれた可能性がある。SECはアフリカ沿岸に近づきながら分岐し、うち一つはマダガスカル(Madagascar)の東海岸に沿って南に進む。この海流ルートによって残骸がレユニオン島に到達した可能性がある。さらに南で飛行機が墜落した場合には、残骸が反時計回りに旋回する亜熱帯循環によって北上してSECに入り、アフリカへ向かって西に流された可能性もある。
──バルボーグ・バイフィールド(Valborg Byfield)氏、英国立海洋学センター(National Oceanography Centre)海洋物理学・海洋気候研究グループ
Q:残骸から、MH370便の墜落自体について何か分かることは?
A:墜落時から今日までの間に収集された海流の衛星データを用いて、飛行機が墜落したエリアのおおよその見当をつけることができる。これまでの衛星画像に基づいてシミュレーションを実施することで、残骸がどこから来たのかを知ることができる。海岸に打ち上げられた残骸には軟体動物が付着していたことから、残骸は海面上を漂っていたことが分かる。墜落したエリアを推定するには、海面上の海流を捉えた衛星写真で十分だろう。
──ジョエル・シュドル(Joel Sudre)氏、海洋工学者、フランス国立科学研究センター(National Center for Scientific Research、CNSR)
A:われわれはコンピューターシミュレーションを使って、残骸が発見された場所を起点として漂流ルートをさかのぼり、飛行機が17か月前に海に墜落した可能性がある場所を割り出した。海の複雑なふるまいのために、正確な位置を特定することはできないが、オーストラリア北西部沿岸沖の直径数百マイルのエリアまで、範囲を狭めることができる。
──エリック・バン・セビル(Erik van Sebille)氏、海洋学者、英インペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)、グランサム研究所(Grantham Institute)
Q:次のステップは?
A:レユニオン島や付近の島々にさらなる残骸が漂着するのは間違いないだろう。(2011年3月の東日本大震災での津波により)福島県から流れ出し、数年後にハワイ(Hawaii)諸島に漂着したがれきもそうだった。
──ジョエル・シュドル氏
(c)AFP/Marlowe HOOD