■サイの死にも決意揺るがず

 木製のおりから猛然と駆け出したナーシャとシラーは、レワ野生動物保護管理公園やケニアのナクル(Nakuru)やナイロビ(Nairobi)にある国立公園からセラ自然保護トラストに移される繁殖適齢期のサイ21頭と共に暮らす計画だった。

 しかし、サイの移動には危険も伴う。1頭は麻酔を打たれた後に意識が戻らず、もう2頭はセラに到着した数日後に脱水症状で死亡した。そのうちの1頭がシラーだった。事態を重く見たケニア政府は13頭を移動したところでサイの移動を中断した。

 NRTのクレイグ氏は「サイが死ぬのを見るのはとてもつらいことです」と話す。「サイの移動には常に危険が伴うのですが、生息数を増やすには移動させなければならないというジレンマがあります」

 しかし、ケニアに新しくクロサイ保護区を作る決意は3頭の死の悲しみにも揺るいではいない。「保護活動の世界では、われわれは常に危機の中で生きているというのが現実なんです」とクレイグ氏は語った。(c)AFP/Tristan MCCONNELL