■若手の模範に

「自分を疑うことは決してない」と言うボルトは、「試合を楽しみにしている。北京での戦いは1か月後に迫っているが、心配はしていない。一歩ずつ着実に進めていく」としている。

「明日(24日)は2つのレースに出場する。非常にハードな練習をしてきた。自分の限界を押し上げてきたから、あとはそれを実行できるかだ。正しく実行に移すことができれば、必ず速く走れる。9.7秒には1回の走りで十分だ。タイムの心配はしていない」

「コーチが心配していないときは、僕も心配していない。彼はいつも、大会に間に合わせる準備を考えてくれる。僕の状態が整うことを彼は確信している」

「トレーニングでも良い調子だ。すべてはうまくいっている。トラックでそれが見せられれば良いな」

 北京でガトリンが勝利した場合、陸上競技にとって悪影響かと聞かれたボルトは、「負けるつもりはないから、その質問には答えられないな」と笑いながら一蹴した。

 薬物に汚染された陸上界の救世主と称されることもあるボルトだが、「そう言われたこともあるけど、僕だけじゃないさ」とすると、「すべてのアスリートには、その競技のイメージをアップするために挑戦して力添えする権利がある。それは全員の責任でもあると思う」と続けた。

「ベストを尽くして、速く走るだけだ。クリーンな状態でそれを達成するのが、自分の使命だと思う。僕だけが陸上界の救世主というわけではないが、ベストを尽くし、その目標を達成したいと思う」

「これから出てくる選手が、努力と献身によって、クリーンな状態でも勝てることを学んでくれたら良いと思う。若手の模範になれたらいいな」

(c)AFP