■「社会的理由」で体内時計に背く

 研究チームは、けんかの勝ち負けの数で序列を確立するために複数のおんどりを集団状況に置いた後、鳴き行動を観察するために個別のかごに入れて分離した。

 その結果、最上位のおんどりが鳴くタイミングが前日より早くなったり遅くなったりした場合でも、鳴き声を発する順番が厳格に守られることを研究チームは発見した。

 朝の鳴き声のタイミングは、おんどりの生物学的な「体内時計」によって制御されていることが、これまでの研究で判明していた。体内時計は、下層階級のおんどりにも備わっている。

 論文共同執筆者、基礎生物学研究所の新村毅(Tsuyoshi Shimmura)氏は、AFPの電子メール取材に、下位のおんどりたちは、自身の自然のリズムを抑圧しており、「最上位のおんどりが最初に鳴き声を発するのを毎朝待てるほどの忍耐強さがある」ことを、実験データは示唆していると答えた。

「下層階級のおんどりたちは、社会的な理由で、自身の体内時計に背いている」(c)AFP