【7月23日 AFP】ヨルダンのアリ・ビン・アル・フセイン(Ali Bin Al Hussein)王子は22日、国際サッカー連盟(FIFA)を改革するための提言と実施は、現職のジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長の下ではなく、後継者が決定してから行われるべきだとの見解を示した。

 FIFAを揺るがす汚職スキャンダルが発覚した5月に実施された会長選で、ブラッター会長に敗れた39歳のアリ王子は、AFPに対して、現在進行中の改革プロセスと作業部会による提案について、ただの「まやかし」だと批判した。

 会長選のわずか数日後に辞意を表明して周囲を驚かせたブラッター会長は20日、11人で構成されている独立作業部会による改革案で、任期制限の導入、理事に対する適正審査の強化、幹部が受け取る報酬の開示などが提示されたと発表した。

 米当局が、サッカーマーケットや放映権で便宜を図る代わりに巨額の賄賂や見返りを受諾した容疑で3人の副会長を含めた計14人を起訴して以降、FIFAは主要スポンサーから改革を求める圧力にさらされてきた。

 しかし、アリ王子は、旧体制が続いている限り、今は改革を進める時期ではないと確信しており、AFPが入手した改革プロセスについて、「具体的な経緯と計画、そして明確な権限が必要だ」と指摘している。

「そして、これはすべて新しい会長の下で実地されるべきだ」

「改革は歓迎しているし、必要なことだが、これらは次期会長の仕事であり、現政権のものではない」

「これらの改革案は、各国のサッカー連盟と次期会長に適用されるもので、新政権によって実行されるものだ」

「次期会長の役目は、FIFAに強く求められている改革を実施するために必要なシステムを構築することで、それは作業部会が60日足らずで推し進めようとするものではない」

 来年2月26日に行われる次期会長選に出馬するとみられているアリ王子は、改革案を見直すために提示された期間について、各国のサッカー連盟が取り入れるには短すぎると主張している。

 アリ王子は、「FIFAの作業部会が改革案を整えることについては、全面的に賛成している。しかし、それを実行するためには、各連盟から賛同を得ることが必要だ」と述べた。

「そのプロセスを明確にして、各連盟が取り入れる機会を与えなければならない。しかし、十分に協議されないまま推し進めようとしているのは間違いだ」

「これほどの短期間で、作業部会はどのようにして意義のある改革に取り組めるというのか?これは早急に片付けるようなものではなく、明らかに構造的な問題だ」

 アブドラ・ビン・フセイン国王(King Abdullah II)の異母兄弟であるアリ王子は、作業部会について、FIFAとは無関係の完全に独立した機関でなければならないと主張している。

「抜本的な改革を行うための作業部会は、完全に独立した組織の人材から構成されなければならず、FIFA関係者であってはならない」

「作業部会に求められるのは、構成メンバーがどのように貢献するかであり、各連盟の総数ではない」

「また、各大陸連盟が代表として選んだ現職の理事に依存するものであってはならない」

「中立な代表者というだけでは、作業部会の独立性は保てない。完全に独立したグループでなければならない」

「改革のプロセスは、広範囲に及び、十分に協議できるものでなくてはならない。まやかしでは不十分だ」

(c)AFP