【7月15日 AFP】2016年米大統領選に共和党から立候補した不動産王ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が14日、選挙活動の一環として、米ホワイトハウス(White House)の下をナチス・ドイツ(Nazi)の兵士が行進しているように見える画像をツイッター(Twitter)に投稿し、冷笑を浴びせられている。

 画像は、トランプ氏自身の顔とドル紙幣、ホワイトハウス、銃を担いで行進する兵士らを米国旗に重ね合わせたもので、「米国を再び偉大な国に」というキャッチフレーズが添えられていた。

 だが画像には一つ問題があった。行進している兵士は、米国の英雄ではなく、ナチス武装親衛隊(Waffen SS)の軍服を着た人々だったのだ。このことから、600万人ものユダヤ人を大量虐殺したナチスと英雄との違いを見分けられなかったトランプ氏を揶揄する声が起きた。

 トランプ氏の陣営の広報担当者はAFPの取材に対し、画像は若いインターンが作成・投稿したもので、旗の中の人物が不明瞭だったために誤りが起きたと弁明。「インターンは謝罪して、すぐにツイートを削除した」と述べた。

 この誤りには、米海軍大学(US Naval War College)の元教授ジョン・シンドラー(John Schindler)氏が最初に気づき、ツイッター上で指摘した。同氏はAFPの取材に対し、「ドイツ軍の制服に詳しい人なら、非常に明白なことだ」と述べつつも、「歴史に無知で、調べ物もしていないことが明らかなソーシャルメディア担当のインターンがいる人なら、誰にでも起こりうることだ」と、寛大な意見も述べている

 トランプ氏はこれまでの選挙運動でも、メキシコからの移民を「強姦魔」と呼び、ヒスパニック系米国人や対立候補の怒りを買っている。(c)AFP