【6月30日 AFP】2016年米大統領選の共和党候補の指名争いに名乗りを上げた不動産王ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が、メキシコ移民についての発言をめぐって強い反発を招いている。トランプ氏への批判が強まる中、米3大ネットワークのNBCテレビは29日、同氏との業務関係を終了させると発表した。

  これにより、トランプ氏が放映権を持つミス・ユニバース(Miss Universe)世界大会とその代表選考会であるミスUSA(Miss USA)は、NBCで放映されなくなる。また、トランプ氏がホストとプロデューサーを務め人気を博してきたNBCのリアリティー番組「アプレンティス(The Apprentice)」でも同氏の出演はなくなる。

 問題の発言は先週の出馬表明の演説で飛び出した。45分間の演説の中で同氏は「メキシコが送り込んでくる人々は問題だらけで、米国に麻薬や犯罪を持ち込んでいる。彼らは強姦魔だ」などと述べた。

 この発言に米国内とメキシコで猛反発が起き、メキシコのミゲル・アンヘル・オソリオ・チョン(Miguel Angel Osorio Chong)内相は「偏見に満ちており、ばかげている」と批判。だがトランプ氏は発言を撤回するどころか、先週末の米CNNテレビのインタビュー番組で、「メキシコは米国との国境に壁を築く資金をわれわれに払うべきだ」「メキシコ人だけではない。私は世界中から来る殺人犯や強姦魔について話している」などと述べていた。(c)AFP