【7月12日 AFP】アフガニスタン東部で行われた無人機による攻撃で、イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」のアフガニスタン・パキスタン地域の指導者ハフィズ・サイード(Hafiz Saeed)容疑者が死亡した。情報当局者と武装組織の司令官らが11日明らかにした。

 アフガニスタンの情報機関「国家保安局(National Directorate of SecurityNDS)」によると、同容疑者を含むIS系の戦闘員30人が10日、パキスタン国境に近く情勢不安定なアフガン東部ナンガルハル(Nangarhar)州で行われた攻撃で死亡した。

 以前はアフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)のメンバーだったというIS系組織の2人の司令官はAFPに電話で、無人機の攻撃が行われた際に現場近くにいたと話した。司令官らの会議が行われている最中に爆撃があり、サイード容疑者のバラバラになった遺体はその後すぐ埋葬されたという。

 アフガニスタンでの存在感がまだ小さく同国での勢力を強めようとしているISにとってサイード容疑者の死は大きな痛手となった。

 アフガニスタンでは今年2月、同国のIS組織のナンバー2と考えられていたアブドゥル・ラウフ・カディム(Abdul Rauf Khadim) 容疑者が無人機による攻撃で死亡していた。また地元政府筋によると、今月6日にはナンガルハル州アチン地区でIS戦闘員を狙った米国の無人機による2度の攻撃で49人が死亡した。

 アフガニスタンではここ数か月、IS系の武装勢力とタリバンの間で支配権をめぐり激しい戦闘が起きていると伝えられている。(c)AFP