■必要なのは「自分で考えることのできる選手」

 才能豊かな選手がごまんといるブラジルの中でもえりすぐりの11人が、世界一には程遠い。多くのブラジル国民にとっては、そのことが信じられない。

 リオのコパカバーナでフットバレーに興じる一般市民でさえ、みな技術は高い。彼らが言うには、ブラジル代表にもっと完成度の高い選手が増えなければ、ネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)に極度に依存する現状からは脱却できないという。

 フットバレーに汗を流す、ある中年男性は、「代表には、自分で考えることのできる選手がもっともっと必要だ。1人の選手の後を付いて回るんじゃなくて、自分から動ける選手がね」と話した。

「今の代表には、ボールをもらったら『ネイマールはどこ?』と捜す選手ばかり。俺たちには、そうじゃない選手が要る」

 解説者の多くも、準々決勝敗退に終わったコパ・アメリカを同じように総括し、コロンビア戦後の頭突きでネイマールがいなくなった途端、チームは創造性を失い、牙を抜かれたようになってしまったと評している。

 かつてブラジル代表が輝きを放っていた時代、サイドバックを務めたカフー(Cafu)氏は、今では対戦相手が「ブラジルを意識しなくなった…もうブラジルを怖がっていない」とコメントした。

 しかし、ブラジルは黄金時代を取り戻せると考える人もいる。

 1980年代に活躍したファルカン(Paulo Roberto Falcao)氏は、代表には、好プレイヤーたちの核となる中心選手が必要だが、ペレ(Pele)氏の再来と呼べるほど、飛び抜けた存在でなくとも構わないと話している。

 同氏は、ブラジル大会を制したドイツ代表を例に取り、「平均以上の選手が必要だが、スーパースターである必要はない。昨年、世界王者になったドイツにはスーパースターはいなかったが、5人の平均以上の選手がいた」とコメントした。

 そのほかには、ブラジルサッカー全体の底上げや、あらゆるレベルでの指導者の質の向上が必要だという意見もある。いずれにせよ、ブラジルは問題の解決に取り組んではいるものの、ドゥンガ監督が言うように、道のりは決して平たんではないようだ。

 次にブラジルを待ち受けるのは、10月から始まる2018年W杯ロシア大会(2018 World Cup)の南米予選。しかしその予選でさえ、以前のように形だけのものと捉える人は、もういない。(c)AFP/Sebastian Smith