【7月7日 AFP】韓国の同性愛者の権利活動家で映画監督の金趙光秀(キムジョ・グァンス、Kim Jho Gwang-Soo)氏(50)が、2013年に提出した同性パートナーとの婚姻届を拒否した当局を相手取り、訴訟を起こした。韓国で同性カップルが法的な婚姻関係を求め訴訟を起こしたのは初めて。

 金趙光秀氏とパートナーの金承煥(キム・スンファン、Kim Seung-Hwan)氏は2013年9月にソウル(Seoul)で屋外結婚式を挙げ役所に婚姻届を提出したが、役所側は受理を拒否していた。ソウル西部の地方裁判所では今月6日、同訴訟の審理が非公開で行われた。

 保守的な韓国では、金趙光秀氏のように同性愛を公言している著名人はまれ。同国では同性愛行為は違法ではないが、同性婚は認められていない。また同性愛は外国のものと考える人が多く、同性愛者やトランスジェンダー(性別越境者)の多くはその事実を公言しないまま生活している。

 今回の訴訟は、先月26日に米国の連邦最高裁判所が全米で同性婚を合法とする判決を下したことから、いっそうの注目を集めている。同28日に韓国で開かれた性的少数者のパレードでは、米国での判決を祝う声が上がっていた。(c)AFP