【7月3日 AFP】高くそびえる断崖絶壁や、絵のように美しい谷底など、壮大な自然美を誇る米ヨセミテ国立公園(Yosemite National Park)は、一見すると何の問題もなく、毎年訪れる数百万人もの観光客たちを今も魅了している。

 だが4年連続で記録的な干ばつに見舞われている米カリフォルニア(California)州にある同公園も打撃を免れることはできず、干ばつの影響を明らかに見てとることができる。

 ふもとのミラー(Mirror)湖の水面に、標高2695メートルの岩山「ハーフドーム(Half Dome)」が映えるおなじみの光景は毎年、何百万回もカメラに収められてきた。だが現在、ミラー湖の水位は通常よりもかなり低下して砂州が露出しており、その砂州で旅行者たちは日光浴を楽しみ、一方で子どもたちは大きな水たまりで水遊びに興じている。

 公園に近いシエラネバダ(Sierra Nevada)山脈では、昨冬の降雪量が歴史的な低水準にとどまったために積雪量も激減。公園内の数ある滝の中でも最も訪れやすい「ヨセミテ滝(Yosemite Falls)」では、川の水が流れるというよりもしたたるといった方がふさわしい状況だ。

 同公園の広報担当、スコット・ゲディマン(Scott Gediman)氏はAFPの取材に対し「雪解け水が減ってしまっている」と話す。公園内を流れる同州有数の大河、マーセド川(Merced River)の水位は、毎年この時期に2メートルを軽く超えるが、今年は辛うじて90センチを超える程度しかない。

 川の水位を示す量水標を示しながら、ゲディマン氏は「これを見れば、本当の事実が分かる」と語った。「まだ夏でさえないのに、この地点の水位が90センチわずかに超える程度しかないこと、気温も上昇していること、降雪量が記録的な低水準にとどまったことを考えると、今私たちが見舞われている干ばつがどれほどのものかが分かる」(c)AFP