【7月3日 AFP】シリア中部の古代都市パルミラ(Palmyra)郊外の博物館前に設置されていたライオン像が、イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」に破壊されたとみられることが分かった。シリア文化財博物館総局のマムーン・アブドルカリム(Maamoun Abdelkarim)総局長が2日、AFPに明らかにした。

「アラートのライオン(Lion of al-Lat)」と呼ばれるライオン像は1977年、ポーランドの考古学チームによってイスラム教前のアラブの女神アラート(Al-Lat)をまつった神殿から発見された石灰岩像。高さ3メートル、重さ15トンで、紀元前1世紀のものとされる。

 アブドルカリム氏がAFPに語ったところによると、ISは6月27日にこの「かけがえのない像」を破壊したとみられるという。

 ISは国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産(World Heritage)に指定されているパルミラを5月21日に掌握。以来、貴重な遺跡の行く末に対する懸念が国際社会で高まっている。

 これまでのところ、貴重な遺跡群の多くは無事だとされるが、ISが地雷をしかけたという情報もある。(c)AFP