【5月28日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」は27日、シリアにある、国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産に登録されているパルミラ(Palmyra)の遺跡の古代ローマの劇場で、群衆を前に男性20人を「処刑」した。英国に拠点を置く非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」が明らかにした。

 同団体のラミ・アブドル・ラフマン(Rami Abdel Rahman)代表はAFPに対し、約1週間前に同国中部の古代都市パルミラを制圧したISは、政権側について戦ったとする20人を劇場跡に集め、銃殺したと述べた。

 シリアの古代文化財当局の責任者は、今回の銃殺が、世界の偉大な古代遺跡の恐ろしい破壊の前触れとなる可能性があると懸念を表明した。

 ISはこれまで、イラクにある貴重な文化遺跡などで、同組織が偶像崇拝とみなす像や礼拝所などを、大槌やダイナマイトで破壊している。

 シリア人権監視団によると、ISはこの1週間で67人の民間人を含む少なくとも217人を処刑している。(c)AFP/Jean-Marc Mojon with Maya Gebeily in Beirut