多くのイタリア国民は、史上6人目のグランツール(三大ツール)全制覇を遂げているニバリが、手強い3人のライバルの挑戦をはねのけることを期待している。

 2013年大会(2013 Tour de France)を制したチームスカイ(Team Sky)のクリス・フルーム(Chris Froome、英国)、大会2度の優勝を誇り、ニバリと同じくグランツールを全制覇を達成しているティンコフ・サクソ(Tinkoff-Saxo)のアルベルト・コンタドール(Alberto Contador、スペイン)、山登りを得意とするモビスター・チーム(Movistar Team)のナイロ・キンタナ(Nairo Quintana、コロンビア)の3選手は、7月4日から26日に及ぶ長期の大会期間で、ニバリを越えようとしている。

 フルームとコンタドールは、今季の主要レースでいくつかの勝利を手にしており、2勝を挙げているキンタナもここ最近コロンビアの山地で厳しい練習を積んでいるが、ニバリはここまで意気消沈のシーズンを過ごしている。

 冬のアキレスけんの問題で不利な状況に立ったニバリは、優勝経験もある3月のティレーノ~アドリアティコ(Tirreno-Adriatico)で16位に終わると、第63回ツール・ド・ロマンディ(63rd Tour de Romandie)では総合10位に沈んだ。

 ツール・ド・フランスの前哨戦の一つであるクリテリウム・ドゥ・ドーフィネ(Criterium du Dauphine 2015)では、第6ステージでその日の2番手に入り、総合争いで首位に立った。

 しかし、翌日の第7ステージでニバリは大きく順位を落とすと、第8ステージでフルームが逆転の総合優勝を飾った。

 ニバリは、「ドーフィネでは疲労にしっかりと対応できる状態ではなかった。いくつか犯したミスにもさらに足元をすくわれた。ドーフィネのフルームは登りが素晴らしかったが、僕としてはキンタナが一番危ないと思う」と続けた。

 もう一人の強力なライバルであるコンタドールは、すでに今年のジロ・デ・イタリア(2015 Giro d'Italia)を制覇しており、1998年のマルコ・パンターニ(Marco Pantani)氏以来となる、ジロとツールの同年制覇を目指している。

「コンタドールが疲れている?誰にも分からないだろう。『ダブル(ジロとツールの2冠)』は魅惑的で、彼にはそれをやってのける力があるよ」

 それでも、30歳のニバリはイタリア王者のジャージーをまとうことが、さらなる力を与えてくれることを信じている。

「誇りに思う。特に、ツールで25日間も着ることができるのだから。たたんで引き出しにしまっておくんじゃ面白くないからね」

(c)AFP