【6月23日 AFP】英当局は23日、同国の警察当局が、1994年にルワンダで起きたジェノサイド(大量虐殺)に関連する戦争犯罪でスペイン当局が発行した逮捕状に基づき、ルワンダのカレンジ・カラケ(Karenzi Karake)情報機関長官(54)を拘束したと発表した。

 英警察によると、カラケ長官は20日、ロンドン(London)のヒースロー空港(Heathrow Airport)で身柄を拘束された。今週25日に出廷する予定。

 スペインの裁判所は2008年、ルワンダで90年代に起きたジェノサイドと人道に対する罪をめぐり、カラケ長官を含むルワンダの軍将校40人を起訴していた。カラケ長官は、94年のジェノサイドの報復として行われた虐殺事件に関与した疑いが持たれている。この事件では国際医療NGO「世界の医療団(Medecins du Monde)」のスペイン人職員3人も犠牲になった。

 一方、ルワンダのルイーズ・ムシキワボ(Louise Mushikiwabo)外相は、英当局によるカラケ長官の身柄拘束を非難。ツイッター(Twitter)への投稿で「ジェノシデール(ルワンダ虐殺への参加者)を支持する狂気に基づくルワンダ高官の拘束は暴挙だ」と怒りをあらわにした。

 94年のルワンダ虐殺では、フツ(Hutus)人の過激派によって、ツチ(Tutsis)人を主とする80万人が殺害されたと推計されている。このジェノサイドに終結をもたらしたツチ人の旧反政府勢力「ルワンダ愛国戦線(Rwandan Patriotic FrontRPF)」で、カラケ長官は戦闘部隊の上層部だった。(c)AFP/Dario THUBURN