【6月23日 AFP】米スポーツ専門チャンネルESPNは22日、米大リーグ(MLB)の最多安打記録保持者で、野球賭博に関与したとして球界から永久追放となったピート・ローズ(Pete Rose)氏が、選手として出場した1986年の数試合で賭けをしていたことを示す記録を公開した。

 ESPNがテレビ放送と電子版で、裁判所命令により封印されていたノートからのコピーの一部を明らかにした内容によると、ローズ氏がシンシナティ・レッズ(Cincinnati Reds)の選手兼監督を務めていた最後の数か月に相当する1986年の3月から7月にかけて、賭けを行っていた概要が示されていた。

 このノートは、ローズ氏が当時コミッショナーを務めていた故バート・ジアマッティ(Bart Giamatti)氏から永久追放を言い渡された約2か月後に、連邦捜査官によって1989年に同氏と交友のあったマイケル・ベルトリーニ(Michael Bertolini)氏の自宅から押収されたもの。ジアマッティ氏は、処分を下した8日後に死亡している。

 この問題の捜査を主導し、ベルトリーニ氏のノートを手に入れることができなかった元連邦検事のジョン・ダウド(John Dowd)氏は、「これが最後のピースで、パズルは完成となる。これでドアは閉じられる」と述べた。

 大リーグ歴代最多の通算4256安打を記録しているローズ氏は、2004年に野球賭博への関与を認めていたが、選手として出場した試合に賭けたことについては、これまで何度も否定していた。

 報道によれば、ローズ氏がレッズの敗戦に賭けた証拠は一切ないものの、ノートの記録には同氏が延べ30日間で少なくとも1チームに賭け、レッズには21回賭けていたことが明らかにされている。

 ESPNはまた、記録のコピーが本物であることは当時の強制捜査に加わった2人が証明していると伝えている。

 今回のノート開示に先立ち、ローズ氏は3月にMLBのロブ・マンフレッド(Rob Manfred)コミッショナーに対して、球界での資格回復を求めていた。また、最近も大リーグ機構の職員と面会し、マンフレッドコミッショナーがこの件を検討するように働きかけていた。

 ローズ氏の成績については申し分ないものの、資格復帰がなければ確実視されている野球殿堂(Baseball Hall of Fame)入りの可能性もない。

 ESPNは、ローズ氏が弁護士を通じて発表した声明も伝えた。

「今年の初めに申請書を提出して以降、われわれは大リーグ機構に対し、資格復帰に関する具体的なコメントを行わないと誓約した。それを順守する」

「私がマンフレッド氏と腰を据えて、良い部分も悪い部分も含めて私の経歴と、私個人の長い野球人生について訴えたいと思っているのは確かだ。それは、オールスター(All-Star)の休養の後に実現する可能性がある。従って現時点では、具体的なコメントをすることは不適切である」

(c)AFP