【6月7日 AFP】中国・湖北(Hubei)省の長江(揚子江、Yangtze River)で大型客船「東方之星(Eastern Star)」が転覆した事故は、7日までに死者が431人となり、中国国内の船舶事故として約70年ぶりの大惨事になった。7日朝には現場で船体の引き揚げ作業や捜索救助活動に携わった兵士など参列して追悼式が行われた。

 国営の中国中央テレビ(CCTV)は現場からの生中継で、追悼式で黙とうをささげる救助隊員らの映像を伝えた。式は楊伝堂(Yang Chuantang)交通運輸相の出席を得て、数分間にわたり曇天の下で行われた。現場付近に止まった小型船舶の乗組員たちも船上から追悼式に参加した。

 5日には戦闘服姿の要員が大型クレーン船の甲板で作業し、船体をつり上げた。船上では、白いフード付きの防護服を着た要員が捜索活動にあたった。

 当局の発表によると、7日までに431人の死亡が確認され、11人の行方が依然として分かっていない。乗客乗員456人のうちこれまでに生存が確認されたのはわずか14人にとどまっている。乗客の大半は60歳以上の旅行客だった。

 中国では1948年、最大で4000人が乗っていたとみられる客船「江亜(SS Kiangya)」が上海(Shanghai)沖で沈没した。今回の転覆事故はそれ以降最悪の事態となっている。

 新華社によると、当局は転覆現場から流された犠牲者もいるとみて、6日に揚子江の捜索範囲を1300キロに広げた。(c)AFP/Neil CONNOR