【6月1日 AFP】ロシアサッカー連合(RFS)は31日、ニコライ・トルスティヒ(Nikolai Tolstykh)会長を解任した。

 RFSは31日に行われた会議で信任投票を実施し、全449票中235票が不信任票となったため、トルスティヒ会長の退陣が決まった。

 トルスティヒ会長は、「このような意見を突きつけてくれて感謝している。もちろん今回の決定を受け入れる。ロシアサッカー界の今後の発展を祈っているよ」とコメントした。

 新会長が決定するまでは、88歳のニキータ・シモニャン(Nikita Simonyan)副会長が会長代行を務める。

 現役時代にディナモ・モスクワ(Dynamo Moscow)でプレーした経歴を持つトルスティヒ氏は、2012年に行われた欧州選手権(Euro 2012)でのロシア代表の成績不振を理由に退任したセルゲイ・フルセンコ(Sergei Fursenko)氏の後任として会長に就任した。

 トルスティヒ氏の会長就任後、ロシア代表はW杯ブラジル大会(2014 World Cup)で12年ぶりの本大会出場を果たした。しかし、ここでも期待外れの結果に終わり、トルスティヒ氏には大きな批判が集まった。

 そしてロシア代表チームを率いるファビオ・カペッロ(Fabio Capello)監督もまた、W杯ブラジル大会で結果を残すことができず、批判にさらされていたが、RFSは同監督との契約を自国開催のW杯ロシア大会(2018 World Cup)まで延長した。

 カペッロ監督の年俸は、世界最高額の約700万ユーロ(約9億5000万円)になると伝えられているが、W杯ブラジル大会が終了して以降、同監督には7か月も給与が支払われず、RFSの負債額は6億ルーブル(約14億円)まで達していた。

 ロシアの労働監督機関が定めた期限日までにカペッロ監督の給与が支払われなかったことにより、トルスティヒ氏は解任の危機に直面したが、同国の大富豪アリシェル・ウスマノフ(Alisher Usmanov)氏が手を差し伸べ、同監督に対する給与未払い問題を解決した。

 ウスマノフ氏は、露通信社のRスポーツ(R-Sport)に対し、「カペッロ監督に対するサポートについては、2018年W杯の運営委員の一人として、ビタリー・ムトコ(Vitaly Mutko)スポーツ相と同じ懸念を抱いていた」と語っている。

「RFSが招いた今回の状況は、許されるべきではないと考えている。ロシアのために働いている人に、賃金を支払えないのは恥ずべきことだ」

「状況がここまで悪化してしまったことに耐えられなかった。これは現在のRFSがどれだけ無能なのかを示している」

 2004年から2009年までRFSの会長を務めた現スポーツ相のムトコ氏は、自身が再び会長に就任する可能性について考慮していることを明らかにした。ムトコ氏は自身の再登板について、「検討している」と語った。(c)AFP