【5月26日 AFP】中国政府は、26日に発表した国防白書で、海上では軍事力の及ぶ範囲を領海外まで拡大するとともに、空の軍事力を強化する方針を打ち出した。

 中国国務院(内閣に相当)は白書の中で、人民解放軍(People's Liberation ArmyPLA)海軍は今後、「近海防御」のみではなく「遠海防衛」も重視していくと述べた。同時に空軍は「『国土防空型』から『攻撃と防御兼備型』」へ転換するとしている。また陸軍は世界規模の機動力を増強し、砲兵部隊は「中・長距離の精密照準爆撃」に備えて強化すると述べている。

 南シナ海(South China Sea)のほぼ全域の領有権を主張している中国は、周辺国との領有権争いが起きている海域で人工島建設を急ピッチで進めており、米国との対立が鮮明化している。中国国防省の楊宇軍(Yang Yujun)報道官は26日、人工島は中国の救難活動や環境保全にも役立つとして「国際社会全体にとって有益」との見解を示し、建設を正当化した。(c)AFP