【5月23日 AFP】ドイツ・ブンデスリーガ1部、ボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)のユルゲン・クロップ(Jurgen Klopp)監督が22日、本拠地でヴェルダー・ブレーメン(Werder Bremen)と対戦するリーグ最終戦では、感情を抑えることができないかもしれないと明かした。

 47歳のクロップ監督は、「そこには特別な空気がある。試合に勝った場合、どんな感情がこみ上げてくるのかを考えたくはない」と語った。

 4月に今季終了後の退任を発表したクロップ監督だが、ドルトムントで指揮を執る最後の試合は、ベルリン(Berlin)でVfLボルフスブルク(VfL Wolfsburg)と対戦する30日のドイツカップ(German Cup 2014-15)決勝になる。

 しかし、英雄の旅立ちを見送ろうと、チケットが完売した本拠地ジグナル・イドゥナ・パルク(Signal Iduna Park)での試合には、約8万人の観衆が詰めかけると予想されており、感情の高ぶりは抑えられそうにない。

 ドルトムントはこの試合で勝ち点3を獲得し、他会場でボルシア・メンヘングラッドバッハ(Borussia Moenchengladbach)がFCアウクスブルク(FC Augsburg)に勝利すれば、今季をリーグ6位で終え、来季のヨーロッパリーグ(UEFA Europa League 2015-16)出場権を獲得することができる。

 しかし、ブレーメンもこの試合に勝利すれば、ドイツカップ決勝でボルフスブルクがドルトムントに勝利した場合、来季のヨーロッパリーグ出場権を獲得することができる。

 クロップ監督は、「どちらのチームにもチャンスがある。そしてヨーロッパリーグ出場権獲得は、ここ数か月間のわれわれが達成を目指していた最大の目標だ」と語った。

「プレッシャーは感じていない。われわれにとって大きなチャンスだと思っている」

 23日のブレーメン戦は、元ドイツ代表で今季限りでの現役引退を表明しているドルトムントのセバスチャン・ケール(Sebastian Kehl)にとっても最後のリーグ戦になる。

 クロップ監督は、「今回はシーズン最終戦であり、チームで重要な役割を果たしてくれたケールにとって最後のホームゲームになる。問題はとれだけ感傷に浸ってプレーすることになるかだ」とコメントし、23日のブレーメン戦では、試合終了のホイッスルが鳴るまで、ほかの感情を持ち込まないことが自分に課された任務だと述べた。

「私は本来の優れたドルトムントの試合を披露し、全力を出し切りたいと願っている」

「もちろん、スタンドのサポーターから熱のこもった声援を受けられなくなれば、さみしくなるだろう。だけど今の私に課された任務は、感傷を持ち込まず試合に臨むことだ」

 ドルトムントは現在リーグ7位につけているが、クロップ監督が就任して以降、シーズンを6位以下で終えたことはない。

 クロップ監督が率いるドルトムントは、2011年と2012年にブンデスリーガ連覇を達成すると、2012-13シーズンには欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2012-13)決勝まで勝ち進み、リーグ戦でもバイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)に次ぐ2年連続2位となっていた。(c)AFP