【5月21日 AFP】英国に拠点を置く非政府組織(NGO)シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)によると、イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」は21日、シリア中部の古代都市パルミラ(Palmyra)を完全に制圧した。ISはイラクで遺跡の破壊行為を繰り返していることから、同市の世界遺産遺跡も破壊される恐れが高まっている。

 また、ISはこれまでに、シリア全領土の半分に当たる9万5000平方キロ以上の地域を掌握したという。

 同監視団によると、ISは20日夜から21日にかけてシリア軍情報機関の基地や軍空港、刑務所などを制圧。シリア政府軍は、これらを含むパルミラ市内とその周囲の拠点から撤退した。

 シリア人権監視団のラミ・アブドル・ラフマン(Rami Abdel Rahman)代表はAFPに、「IS戦闘員は、遺跡周辺を含め、タドモル(Tadmur、パルミラのアラビア語名)のあらゆる所にいる」と語った。(c)AFP