【5月17日 AFP】ロシア南部チェチェン(Chechnya)共和国で16日、同国を強権支配しているラムザン・カディロフ(Ramzan Kadyrov)首長と盟友関係にある47歳の警察署長が、妻帯者でありながら17歳の少女と結婚した。ロシアの法律は一夫多妻制を認めていないため、この結婚は違法とみられているが、2007年にロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の支援で首長に就任したカディロフ氏は、この結婚を個人的に祝福したとされる。

 AFPの記者は、少女が暗い表情で首都グロズヌイ(Grozny)市内の婚姻登録所に入って行くのを目撃した。少女はナジュド・グチゴフ(Nazhud Guchigov)警察署長と結婚する意思の有無を3回質問された後、ようやく「はい」と答えた。その後飲食店まで婚礼行列が行われ、カディロフ氏が伝統的な踊りを交えて結婚を祝福した。

 ただ、数人の出席者はAFPに対し、年齢の差が大きいとしてこの結婚には反対だと述べた。ある女性は匿名を条件に、「私の娘をあのように結婚させるぐらいなら、その前に私は娘を殺すだろう」と語り、早婚には反対だと語った。

 この結婚が4月下旬に発表されるとロシア国内で激しい抗議を引き起こした。少女は結婚を強制されたと伝える報道もあった。ロシア政府の人権コミッショナー、エラ・パンフィーロワ(Ella Pamfilova)氏は旧習にとらわれていると非難し、この結婚が実現しないことを望むと発言。少女が結婚を強制された場合は制裁を科すよう呼びかけていた。

 ただ、カディロフ氏は、画像投稿サイト「インスタグラム(Instagram)」の自身のアカウントで「報道はうそばかりだ。愛に年齢は関係ない」と主張している。

 ロシア政府の子どもの人権コミッショナー、パベル・アスタコフ(Pavel Astakhov)氏は、この結婚が婚姻の最低年齢を規定しているロシアの法律には違反していないと述べたものの、一夫多妻に関する質問には回答していない。(c)AFP