【5月13日 AFP】米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)のアメリカン・カンファレンス(AFC)決勝で、使用されたボールに細工が加えられていたとされる、一連の「デフレートゲート(deflategate)」スキャンダルについて、報告をまとめたテッド・ウェルズ(Ted Wells)捜査官が、ニューイングランド・ペイトリオッツ(New England Patriots)のQBトム・ブレイディ(Tom Brady)の処分は「魔女狩り」のようなものではないかという批判を受け、これを一蹴した。

 弁護士のウェルズ氏は、会議電話で報道陣に対してコメントし、はじめからブレイディをおとしめるつもりだったのではないかという非難は「ばかばかしい」と一蹴すると、報告は証拠を基に作成されたものだと改めて主張した。

「NFLが私に対し、リーグを象徴する顔である人気選手に『灸を据える』よう依頼したという疑惑は、実にばかばかしい誤解です」

「すべては証拠に基づくものです」

 ウェルズ氏の報告書が公表されてから数日経った11日、ブレイディには、4試合の出場停止処分が科された。同報告書の中では、インディアナポリス・コルツ(Indianapolis Colts)とのAFC決勝でボールの空気が抜かれていたことを、ブレイディが認識していた可能性が高いとされている。

 ブレイディの代理人は、この処分には「合理的な理由が見当たらない」と糾弾しており、「この結論は、あらかじめ決まっていたんだ。ウェルズ氏の捜査とかいうものには、公平さがなかったんだ」とコメントしている。

 これについてもウェルズ氏は、「私が中立性を欠いていたとか、報告は特定の結論を導き出すために偏った内容で作成されたという話は事実無根だ」と全面的に否定し、「私の捜査結果が気に入らないという理由で、私の中立性が疑われるのはおかしい」としている。

 ウェルズ氏はまた、ブレイディが個人の電子メールや携帯メール、そして通話記録の提出を拒否したことを再度強調した上で、その中の1通で、ペイトリオッツの職員が自身を「空気を抜く役目」と表現していたことに触れた。

「そのメールが何を示しているのか、無視することなどできません。これが直接的かつ決定的な有罪の証拠です」