■AV業界のロナウド

 著名なAV監督で、しみけんさんが持つ人間離れした実力を見抜いたというTOHJIRO氏も、日本人男性が柔和になっているとの意見に同意する。

 27年間この仕事に携わってきて、「草食男子」が増加しているのを感じるというTOHJIRO氏。何でも簡単に手に入るようになった世の中で、男性たちの欲望は少しずつ薄れていったのだろうと持論を展開した。

「今の子たちは生まれたときから物がいっぱいあふれていて、何でもある。何見ても感動しなくなっちゃってる。(昔は)バナナでもパイナップルでも、何でも感動できたし、興奮できた。今の子はどんなにいいクッキーでも、ケーキを見ても感動しない。それと同じで、女性をもっと深く知りたいとか、女性にもっと近づきたいとか思ったら、真剣に女性と向き合わなければならないのに…今の子はインターネットで(何でも)すぐに見れちゃうから」(TOHJIRO監督)

 また、歯に衣着せぬ物言いのTOHJIRO監督は、キューと同時に「仕事」をしなければならない重圧に耐えられるだけの精神力がAV男優には求められると話す。演技の途中でプレッシャーについて考え始めたら「もう終わり」なのだという。

 そして「(AV男優の数が増えたとしても)できないやつがたくさんいてもしょうがないからね。サッカーでも、リオネル・メッシ(Lionel Messi)や(クリスティアーノ・)ロナウドばかりではないでしょう?あのゴールを決められるのは2人だけでしょう?それと同じだと思うよ」とこの業界の厳しさについて語った。(c)AFP/Alastair HIMMER