■「超人」のみが可能な仕事

 高級なスキンケアクリームを使って、自分の「商売道具」のコンディションに万全を期すしみけんさんだが、自身のキャリアのなかで1度だけけがをしたことがあると話す。けがは、相手の女優さんが履いていたハイヒールが股間部分に引っかかったためと説明した。そして性機能改善薬については「必要ないし、使いたくない」と言い切った。

 そんなしみけんさんの超人ぶりは伝説の域に達しているようで、相手の女優たちは彼の名前が上がると大喜びするという。一方で、男優の数を増やすために業界が苦労を重ねている現状については、その通りと言わんばかりに、みなうなずくのみだ。

 豊満な体つきで人気のスターAV女優、沖田杏梨(Anri Okita)さんもそのような女優の一人だ。しみけんさんについては、「あんなことができるのは超人しかいない。天才だな…と思ってます」と話し、そして「AV男優はスーパーマンにしかできない」と断言した。

 業界関係者の多くは、セックスや伝統的な男らしい価値観を避け、穏やかで争いごとを好まない「草食男子」が増加している社会の傾向に、AV男優が減少している原因があるものとみているようだ。

 かつてトラックの運転手として働いた経験もあるAV女優の白木優子(Yuko Shiraki)さん(39)も、日本人男性は「強くなくなったし、セックスに対しても積極的じゃない」と述べる。そして多くの男性が自信を失い、感情を表に出すことができなくなったことから、男優という職業に憧れる人の数も自然と少なくなっていったのではと考えていると話した。