【5月11日 AFP】11日の中国国営メディアの報道によると、同国の首都北京(Beijing)にある清朝時代の離宮「円明園(Old Summer Palace)」を実物大で模したレプリカが、北京から1000キロ離れた東部・浙江(Zhejiang)省にオープンした。円明園側は、知的所有権侵害の可能性もあるとして、法的措置も辞さない姿勢を示している。

 19世紀に清朝の皇帝が使用した円明園は、広大な庭園、離宮、池などからなっている。1860年、清朝が英国とフランスの使節団を捕虜とし拷問・殺害した報復として、両国軍によって破壊され、大半が廃虚と化したことから、中国では「国家的屈辱」の象徴とされている。

 京報網(Beijing News)によると、レプリカは300億元(約5800億円)をかけて建設され、10日には全面積の一部、400ヘクタールが観光客に公開された。最終的には、円明園の95%が再現されるという。レプリカは、同省の企業グループ、横店集団(Hengdian Group)の撮影スタジオ施設の中に造られた。ここには同じく北京にある紫禁城(Forbidden City)のレプリカもある。

 新華社(Xinhua)通信によると、円明園側は先月「この施設の建設と開発は国営機関が計画すべき」だとし、「知的所有権の侵害があれば」法的措置も辞さないとする姿勢を表明している。(c)AFP