【5月11日 AFP】独紙ビルト日曜版(Bild am Sonntag)は10日、米国家安全保障局(National Security AgencyNSA)が独連邦情報局(BND)に独電機・金融大手シーメンス(Siemens)へのスパイ活動を依頼していたと伝えた。

 同紙が匿名の米情報機関筋の話として伝えたところによると、NSAはシーメンスがロシアの情報機関に通信技術を提供していたと疑っていたという。

 同紙によると、シーメンスの広報担当者は自社が監視活動の対象にされなければならないような事実が「当社の事業領域にあるとは一切認識していない」と述べており、BNDがシーメンスに関する情報を実際にNSAに渡したかどうかは不明だとしている。

 BNDをめぐっては先に、NSAのために欧州航空機大手エアバス(Airbus)グループやフランス政府、欧州委員会(European Commission)に対する情報収集活動を行っていたという疑惑が報じられており、アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)政権の土台を揺るがす事態となっている。

 メルケル首相の保守・中道連立政権を苦境に追い込んでいるスキャンダルを受けてBNDは先週、独南部バイエルン(Bavaria)州のバートアイブリング(Bad Aibling)にある通信傍受拠点でのNSAとの協力規模を縮小したと伝えられている。(c)AFP