【5月7日 AFP】ディスコ時代のヒット曲、「You Sexy Thing」などで知られる英ソウル・ファンクバンド「ホット・チョコレート(Hot Chocolate)」のリードボーカルだったエロール・ブラウン(Errol Brown)さんが肝臓がんで6日、死去した。71歳だった。ブラウンさんのマネジャーが明らかにした。

 ジャマイカ生まれのブラウンさんは、人生の大半を英国で過ごし、文化的貢献で英国の勲章を授与された。最期はバハマの自宅で息を引き取った。

 ブラウンさんがポップスターになったのはほぼ偶然からだった。「ホット・チョコレート」の共同結成者で、友人のソングライター、トニー・ウィルソン(Tony Wilson)さんとブラウンさんは1960年代後半に、ジョン・レノン(John Lennon)の曲「平和を我等に(Give Peace A Chance)」のレゲエ版を録音した。だが、プロデューサーはジョン・レノンの許可が必要だとしてこれに反対した。

 しかしジョン・レノンは、まだ無名だったホット・チョコレートがビートルズ(The Beatles)設立のアップル・レコーズ(Apple Records)と契約するのを助け、同レゲエ版はカバーソングとして日の目を見ることができた。だが、後にホット・チョコレートは別のレコード会社に籍を移している。ホット・チョコレートは1970年代に英国で商業的な成功を収めた数少ない黒人グループとなった。

 ブラウンさんは、「ポップスターになりたいなんて思っていなかった。音楽を演奏するなんて、全然興味がなかったんだ」と2009年、最後のツアー中、英紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)のインタビューで語っていた。(c)AFP/Shaun TANDON