【4月30日 AFP】マニー・パッキャオ(Manny Pacquiao、フィリピン)とフロイド・メイウェザー・ジュニア(Floyd Mayweather Jr.、米国)によるボクシング世界ウエルター級タイトルマッチを控え、中継を行う米テレビ局ショウタイム(Showtime)は、ペイ・パー・ビュー(PPV)の収益について具体的な数字を予測することは不可能であるとしている。

 ショウタイムのスポーツ部門で統括責任者などを務めるステファン・エスピノーザ(Stephen Espinoza)氏は、この試合の影響力は計り知れず、通常のように購入件数や収益を予想することはできない領域に達していると述べた。

 エスピノーザ氏はAFPに対して、「いつもなら、オペレーターが売り上げについて毎日アップデートできる」とし、「過去のPPVでは、例えば今週水曜日と前週の水曜日の数字を比べることができます」と語った。

「通常なら正確に把握できますが、今週に限っては、もはや前例のない数字になっています。あまりに数字が伸びて膨大な額に上っているため、そこから推定することは不可能なのです」

 パウンド・フォー・パウンドの現役最強ボクサーを決めるパッキャオ対メイウェザーの一戦は、5年の歳月の末にようやく実現し、高画質契約の場合は通常の市場価格で100ドル(約1万2000円)とされるPPVの購入件数と収益が、過去の数字を上回ることは確実視されている。

 過去のPPV記録は、購入件数では2007年に行われたメイウェザー対オスカー・デラホーヤ(Oscar De La Hoya、米国)戦の約248万件、収益では2013年に行われたメイウェザー対サウル・アルバレス(Saul Alvarez、メキシコ)戦の約1億5000万ドルとなっており、問題はこれらの数字を今回はどれほど更新するかとなっている。

 エスピノーザ氏は、「記録を破ると思っているか? もちろんですよ」と答えると、「270万件とか320万件もあり得ますが、現時点では数字がどちらになるか判断できませんね」とコメントした。

 仮に購入件数が300万件以上に上った場合、両陣営に渡る収益は2億ドル(約236億円)近くになるとみられる。

 今回の一戦で、記録を更新するのはテレビ収益だけではない。観戦チケットの収入でも、過去最高を記録したメイウェザー対アルバレス戦の2000万ドルを大きく上回り、7000万ドル(約83億円)に上るとみられる。

 勝敗に関係なく、両ボクサーは1億ドル(約118億円)以上稼ぐことになっているが、メイウェザーは今週、2億ドルを手にすることになるだろうと明かしている。

 ボクシングファンが待ち焦がれた世紀の一戦は、2009年に交渉が決裂して以降、長年の紆余(うよ)曲折を経て実現に至った。(c)AFP/Rebecca BRYAN