■夢で神と対話

 テレビコマーシャルのディレクターとしてもパッキャオと活動していたソリアーノ氏いわく、まるで聖書の中の預言者のように、パッキャオの枕元に神が現れたという。

「森の中にいた彼に強い光が差して、体を突き抜けた。そして、『どこにいるんだ?私をどこに置いていくんだ?』という声を聞いたらしい」

 パッキャオは夢の中で泣いており、起きたときに枕が涙で濡れていたという。そして、直後には周囲に対し、信心がどれだけの喜びをもたらすかを語り始めたという。

 スタッフとの井戸端会議も、高性能の車の話から、聖書の解釈についての話に変わり、自身の再生についてとくとくと語るのだという。

 ソリアーノ氏は、「彼はリングで素早いといわれています。しかし、キリストを受け入れてからは、(精神面での)成長が加速した。神について学びたいというハングリーさがあるのです」と話した。

 信心を起こしたことは、パッキャオとジンキー(Jinkee)夫人の関係にも一役買ったようだ。ソリアーノ氏は、2012年のティモシー・ブラッドリー(Timothy Bradley、米国)戦に敗れた後、パッキャオの信仰心が本物であることを実感したという。

「彼は分かっていました。神を捨てず、キリストをお守り扱いすることはありませんでした。本物の信心だったのです」