米警官数人に停職処分、拘束の黒人男性死亡で
このニュースをシェア
【4月21日 AFP】米メリーランド(Maryland)州ボルティモア(Baltimore)で、警察の拘束下にあった男性が脊髄損傷により死亡した問題で、同市警察当局は20日、警察官数人に停職処分を科したと発表し、詳細な調査を実施する方針を明らかにした。
警察の報告書によると、19日に死亡したフレディ・グレイ(Freddie Gray)さん(25)は、12日に警察に拘束され、飛び出しナイフを所持していたとして訴追された。
警察側は、グレイさんが死亡した経緯の調査を約束。24日に完了予定の調査の結果を審査する独立委員会を設置する方針も示している。また、地元の米NBCテレビ系列局WBALによると、この問題をめぐり6人の警官が停職処分を受けた。
検視結果からはグレイさんの脊髄が損傷していたことが分かっており、調査ではこの損傷がどのようにして起きたかに焦点が当てられる。
拘束時の映像には、警察が歩道でグレイさんを取り押さえた後、痛みを訴えるグレイさんを警察車両に引きずり入れる様子が写っている。
地元警察幹部は、グレイさんが拘束後に吸入器を希望したことや、警察車両に座っている際に「激怒した」ことなどを明らかにしている。警察が公開した記録によると、救急隊の要請があったのは、グレイさんが吸入器を希望してから42分後だった。
警察側は、グレイさんが治療を希望していたことを認めたが、それがいつのことかは明らかにしていない。
米国では、警察官が黒人を死亡させる事例が相次いでおり、人種偏見と行き過ぎた力の行使だと非難する声が高まっている。(c)AFP