【4月20日 AFP】中国・上海(Shanghai)で20日、同国最大の自動車展示会「上海国際モーターショー(Shanghai International Automobile Industry Exhibition)」が開幕した。今年のショーでは肌を露出して車のボンネットにもたれかかる女性コンパニオンが禁止されたと報じられており、会場では彼女らの姿を見かけることはない。

 上海など中国各地で開催されるモーターショーではこれまで、中国語で「車模」と呼ばれる肌を大胆に露出したコンパニオンたちたちが注目を集め、ネット上では「体を売る」行為だとの声も上がっていた。

 中国メディアが入手した通達によると、今年の上海モーターショーの主催者側は、来場者の注目を車の曲線美へと戻し、「秩序があり、清潔で安全な」雰囲気を作る方針を決定。出展者に対して「下品で、文明化された社会に害を与え、悪意あるセンセーショナリズムに堕した全ての類いの現象に終止符を打つ」ことを要請し、代わりに「芸術的な享楽」を提供するよう求めたとされる。

 会場では、来場者たちがまるで熟練したバードウオッチャーのように、本物のコンパニオン(または想像上のコンパニオン)の目撃談を交わす姿が見られた。ある業界関係者は「あそこでコンパニオンっぽい人たちを見かけた」と語った。

 トヨタ自動車(Toyota Motor)は、代わりに黒いポロシャツ姿の若い男性たちを起用。うち一人に業務内容を聞いてみると、「私たちはここに立っているだけ。コンパニオンではない」との答えが返ってきた。またスズキ(Suzuki Motor)は、自動車のそばに女性モデルを配置したが、彼女たちは全身を真っ白なドレスで覆い、首にはしゃれたスカーフを巻いていた。

 米フォード(Ford)はコンパニオンを廃止したが、新車発表会では巨大スクリーンに映されたCG映像に合わせて踊る男女のダンサーを登場させた。ダンサーらはステージ上で早着替えも披露したが、その際も男性はカーテンの袖に、女性は赤い旗に隠れて、上品な演出を徹底した。(c)AFP