【4月20日 AFP】(一部更新)独ニュース週刊誌シュピーゲル(Der Spiegel)は19日、イラクのサダム・フセイン(Saddam Hussein)政権下の元情報部員が、イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」のシリア北部掌握作戦における「戦略立案者」だったと報じた。

 同誌によると、この情報部員はサミル・アブド・ムハンマド・フリファウィ(Samir Abd Muhammad al-Khlifawi)元大佐。「ハジ・バクル(Haji Bakr)」の名で知られており、「数年にわたってISの戦略における黒幕を務めた」後、2014年1月にシリア反体制派に殺害されたという。

 シュピーゲル誌は、ISが撤退した後のシリア北部アレッポ(Aleppo)で元大佐が記した手書きの図表などを入手した地元反体制派グループと長期間にわたり交渉を続けた末、これら31件の文書の独占入手に成功したとしている。

 同誌によると文書は「領地奪取の草案」で、シリア北部での「カリフ制国家」樹立計画の詳細の他、情報活動、殺人、拉致などの手法が綿密に記されているという。

 2003年に旧イラク軍を解体した米国の決定に伴い、バクル元大佐は失職して辛酸をなめていたと、同誌は報じている。その後、06~08年には米軍の収容施設キャンプ・ブッカ(Camp Bucca)やアブグレイブ(Abu Ghraib)刑務所に収容されていた。

 その後の数年間、元大佐はイスラム過激派グループの間で影響力を高め、2010年には旧フセイン政権の元情報員らの一団と共に、アブバクル・バグダディ(Abu Bakr al-Baghdadi)容疑者をISの最高指導者に据えた。目的は、組織に宗教性をもたせることにあったとされる。

 シュピーゲル誌はあるイラク人ジャーナリストの話として、元大佐が自身を「イスラム主義者ではなく国粋主義者だ」と語っていたと伝えている。(c)AFP