【7月29日 AFP】シリアとイラクの一部を支配下に置いたイスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」が、「結婚相談所」を開設し、戦闘員らの花嫁となる女性たちの募集を始めた。英国を拠点とする非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」が地元住民らの話として伝えた。

「イスラム国」のシリア北部アレッポ(Aleppo)県バーブ(Al-Bab)事務所が、ISの戦闘員との結婚を望む「独身女性と夫を亡くした女性」を募集しているという。シリア人権監視団が地元住民の話として伝えたところによると、興味を持った女性が氏名と住所を知らせれば、「IS戦闘員が女性宅のドアをノックし、正式に結婚を申し込む」そうだ。

 他にも「イスラム国」は、戦闘員のハネムーン支援や、支配地域の一部への民間人訪問客の誘致など、観光業にも手を広げた。週2回催行するツアーでは「イスラム国」の黒い旗を掲げた専用バスでシリア北部ラッカ(Raqa)からイラクのアンバル(Anbar)までを旅する。移動中の車内ではBGMに「イスラム聖戦士」の歌が流れ続けるという。

「イスラム国」は先月末、シリアとイラクにまたがる地域を掌握し「カリフ制国家」の樹立を宣言した。同組織が実効支配する地域はシリア北部と東部の広域、イラクとシリアの国境地域、イラクの北部と西部の一部だ。これらの地域では住民の大量拉致や殺害、石うちやはりつけによる処刑など「イスラム国」による残虐行為が報告されている。(c)AFP