【4月20日 AFP】19日に実施されたフィンランド議会選(定数200)は、開票が全て終了した結果、野党・中央党が49議席を獲得し、アレクサンデル・ストゥブ(Alexander Stubb)首相率いる保守派の与党・国民連合を下して第1党となった。今回の選挙戦では、同国の停滞する経済が焦点となっていた。

 次期首相には、中央党のユハ・シピラ(Juha Sipila)党首(53)が就任する見込み。同党首は、IT業界で富を築いた後に政界入りしており、政治家としてのキャリアはまだ浅い。

 ストゥブ首相は開票作業が約7割終わった段階で、公共のフィンランド放送協会(YLE)のラジオとテレビ向けに「中央党が勝利したようだ。おめでとう」と語り、敗北を認めた。

 右派で欧州連合(EU)懐疑派のフィン人党は38議席を獲得して第2党に躍進。一方の国民連合は37議席、社会民主党が34議席でこれに続いている。

 シピラ氏が最初に取り掛かるのは、連立相手の選定になる。従来通りならば、第1党から首相が指名され、議会で過半数を確保するため他の優勢の党と連立政権を樹立することになる。

 シピラ氏が連立政権を樹立するまでには数週間厳しい交渉が続けられる見通し。同氏はまだ、どの政党を連立相手に選ぶのかも発表していない。

 シピラ氏は選挙戦で、自らのビジネス経験を強調し、これまで3年続いた不況と緊縮策、改革の失敗を経て、ユーロ圏内の同国の経済を回復させることを公約に掲げてきた。

 ストゥブ首相は4党からなる左右連立政権を率いてきたが、内部不和で機能不全に陥り実質的な政策転換を行うことができず、有権者の不満を買っていた。(c)AFP/Hugues HONORE