【4月16日 AFP】フランス政府が同性愛者の外交官を次期駐バチカン大使に任命したことについて、バチカン(ローマ法王庁)側から信任の可否に関する返答がない状態が3か月にわたり続く異例の事態となっている。

 同性愛を公表しているカトリック教徒のローラン・ステファニーニ(Laurent Stefanini)氏は今年1月5日に次期駐バチカン仏大使として任命された。バチカンは通常、任命後1か月程度で候補者の承認を発表するが、仏政府はこれまでのところ、ステファニーニ氏の信任についての連絡を一切受けていない。

 この長期にわたる返答の遅れは、バチカン側の信任拒否を意味するものとみられている。だが仏政府のステファヌ・ルフォル(Stephane Le Foll)報道官は15日、ステファニーニ氏の大使任命を今後も維持する方針を表明。「現在交渉が行われている。バチカンからの返答を待っているところだ」と述べた。

 バチカンは、大使の信任を拒否したとしても公式声明は一切出さない。仏政府は2007年にも、同性愛を公表している外交官を駐バチカン大使として任命したが、バチカンからの返答がなかったため、最終的に別の人物を任命している。

 フランスでは2013年に同性婚が合法化されたが、カトリック教会はこれに反対の立場を取っている。(c)AFP/Katell PRIGENT