【4月16日 AFP】コロンビア西部カウカ(Cauca)州の山岳地帯で15日未明、左翼ゲリラ「コロンビア革命軍(Revolutionary Armed Forces of ColombiaFARC)」とみられる武装集団がパトロール中の軍歩兵部隊を襲撃し、兵士10人が死亡、20人が負傷した。これを受けてフアン・マヌエル・サントス(Juan Manuel Santos)大統領は直ちに、FARCに対する空爆再開を指示した。

 この襲撃事件は、2012年11月のコロンビア政府とFARCによる和平交渉開始以降に起きたものとしては最悪規模のものとなった。軍幹部によると、FARCの拠点とみられる地域をパトロールしていた歩兵部隊が、待ち伏せしていたFARCの戦闘員らに襲われたという。

 サントス大統領はテレビ放送された演説で、「FARCキャンプに対する爆撃中止命令を、さらなる通知があるまで無視するよう軍に指示した」「FARCに明らかにしておきたい。このような卑劣な行為の圧力に屈して、双方向の停戦に応じるつもりはない」と述べた。

 FARCは和平交渉を進めるため、昨年12月以降、一方的な停戦を守ってきていた。同大統領は先週、FARC側の停戦姿勢を評価し、FARCに対する空爆をさらに30日間中止するよう指示したばかりだった。

 同日の事件を受け、キューバの首都ハバナ(Havana)入りしているFARC報道官は遺憾の意を表明した一方で、「停戦しているゲリラに対して軍事作戦を指示するという矛盾」を犯している政府を非難。「待ち伏せ攻撃だろうとそれへの反撃であろうと、犠牲になり続けているのはコロンビア国民だ」と指摘し、政府側もFARC側に歩調を合わせて停戦するよう求めた。(c)AFP/Philippe ZYGEL