【4月14日 AFP】米航空宇宙局(NASA)の火星無人探査車「キュリオシティー(Curiosity)」による調査データから、火星の表面近くには液体の水が存在する可能性が高まった──研究論文が、13日の英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載された。

 論文を発表したのは、デンマーク・コペンハーゲン大学(University of Copenhagen)ニールス・ボーア研究所(Niels Bohr Institute)のモーテン・ボー・マドセン(Morten Bo Madsen)氏らの研究チーム。

 研究チームは、採取したサンプル中に過塩素酸カルシウムの存在を確認できたことから、火星に液体の水がある可能性が高まったとした。過塩素酸カルシウムは吸収性が高く、水の氷点を下げる塩のような性質があるため、水が液状のまま存在できるのだという。この化合物について論文は「非常に塩分濃度の高い塩水であるブライン」を特徴づけるものとしている。

 NASAは3月、火星の北半球の大部分は、かつて海だった可能性があると発表したばかり。NASAの発表によると、海水の87%は宇宙空間に流出してしまったとみられている。

 今回論文を発表した研究チームは、火星の表面近くに水が存在していたとしても、非常に厳しい環境の中で生命が存在することはほぼ不可能だろうと指摘している。(c)AFP