【4月12日 AFP】チリ民間航空総局は10日、南米諸国で初めて小型無人機(ドローン)の飛行を正式に認可し、関連規則を導入した。公的使用と個人使用の両方に規則を設けている。

 リモコンで操縦する無人機の使用はここ数年急増しており、用途は軍事攻撃から小型貨物配送まで幅広い。チリ民間航空総局のマキシミリアーノ・ララエチア(Maximiliano Larraechea)局長は、「無人機は法の枠組みの外で飛行している。中南米では他に類を見ない今回の規則によって無人機の使用は規制される」と語った。

 規則はビジネスやメディアの分野における無人機の使用を公的と位置づけ、無人機の重さを6キロ未満とし、パラシュートの装備を義務付けている。ララエチア局長によると、重さ7キロの無人機が10メートルの高さから落下すると死者が出る恐れがあるため、パラシュート装備の義務と重量制限を設けた。

 無人機の操縦免許の取得と無人機の航空局への登録が義務付けられている。無人機の飛行高度は地上130メートル以下、飛行距離は操縦者から500メートル以内で、夜間の飛行は禁止。大規模イベントの会場上空や、空港から2キロ以内での飛行も禁止している。

 一方、人気が広がっている個人用無人機については、都市部の外側と住宅地での飛行を認める一方、都市部の公共スペースでは飛行を禁止する。違反した場合には最大3万6000ドル(約430万円)相当の罰金を科すとしている。

 米国ではネット通販業者の商品配送への無人機使用が試験段階にあるが、ララエチア局長はチリでは無人機の商用目的の利用は禁止する方針だと語った。(c)AFP