【4月4日 AFP】スウェーデンに住むフェリシア・ザンダーちゃんは6歳のときに脳出血を起こし、それから1年以上もの間、 レントゲンやMRI、十数回にわたる手術を受けるために入退院を繰り返した。

 入院する前にはいつも、病院のウェブサイトのアニメ―ションで、これから受ける治療や手術についてキャラクターが説明してくれるのを見て、不安を和らげた。フェリシアちゃんはこの「病院アドベンチャー」に出てくる、盲腸の手術を待っているピエロや、脳のスキャンの順番を待つイノシシに夢中になった。「よく分かったし、心配なくなった。麻酔は怖いけど、危なくないんだって」と、フェリシアさんはAFPの取材に笑顔で語った。

 スウェーデン最大の小児病院の看護師が考案したこの「麻酔ウェブ」は、動画やゲーム、アニメを使って、子供が入院中に経験することを前もって伝える。石に頭をぶつけ、脳のスキャンを受けるイノシシのアニメでは、ベッドがゆっくり動き「大きな穴へ入ったら、そこで体の中の写真を撮ります」と簡単な言葉で説明があり、その間はじっとしているようにと教わる。

 今では10歳となったフェリシアさんにとって、こうしたストーリーは大きな効果があった。「しばらくの間、起きている時間はほとんどパソコンで麻薬ウェブを見ていた」とフェリシアさんの母親は振り返る。「ある手術の時には看護師さんに向かって、看護師がしなくてはならないことを麻薬ウェブで見ておいて、と言ったくらいです」

 首都ストックホルム(Stockholm)の麻酔医、スーレ・シッカルディさんは「麻酔ウェブ」が手術をする子供たちに与える効果に気付いていたという。「ウェブサイトを見た子たちは落ち着き、自信を持ちます。手術本番の状況に慣れるからです。また人間の体についてさまざまな情報を得て、それについて周りの人たちと話すこともできるようになります」